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◆01.ピックガード

No,31 JazzTLのオーナーST さんより、ピックガード加工の指令が来ました。なんと!ビンテージ Gibson Super400 のピックガードです。100万円以上するギターやなかろ〜か。このピックガードだけでも10万円近くする貴重な物だそうです。
ピックガードのレプリカも所有されているそうですが、やはり本物を使いたいそうです。

依頼内容は、

  1. フロントPU 上にあるピックガードをネジで固定するネジ穴裏の出っ張りを削り取る。
  2. フロントPU 側にあるエスカッションの溝をリアPU 側にも掘る。
  3. ピックガードの反りを直せないか。

写真では分かりにくかけんど、かなり反ってます。インターネットで調べてもビンテージSuper400 のピックガードは、反っとる。海外のサイトまで調べたけど、反りを直したちゅうサイトが見つからん。
ウネウネの模様が付いとる約2.5ミリの塩ビ板(柄は約0.5ミリ厚)の裏に、厚みを稼ぐための約4ミリのアクリル板が接着してあるとです。オールドフェンダーのピックガードのように塩ビが縮んどるんでしょう。表面の模様の部分はセルロイドかもしれん。

反りを直すと割れるかもっチュウたんやけど、、、やる事になりました。

 

このピックガードがギターに付いとった状態の写真を送ってもらいました。

かなり反っとって、リアPU側で浮いとる。

アクリルがルーター(小)で上手く削れるんか?、別のアクリル板で実験。最初インレイ用のビットで試したら、アクリルが溶けて刃に付いてダメやった。別の刃の荒い木工用のビットでスピードを落として削ったら、なんとかイケた。それでも少し溶けとるけどね。

6ミリのアクリル板をアイロンで加熱して、熱した側が凹む方向に上手く曲がるか実験。あれ!思ったよりあっさり曲がった。

塩ビ(セルロイドかも)には、表面が溶けたり、後で割れたりせんか怖くてアイロンを当てられん。

アイロン加熱中は写真が撮れんかった。クッキングシートを当てて、アクリル板にアイロンを当てとったと。

十分熱くなったところで、板に挟んで矯正。

お〜!だいぶ真っ直ぐになった。まだ少し反っとるけどね。
ぱっと見は分からん程度やけど、塩ビの模様に沿って数カ所小さな亀裂が入りだしたんで、これ以上は止めとこう。アクリル板が反りの反対方向に引っ張っとる状態なんよね。

出っ張りを削るト。

 

リアPU のエスカッション部分を掘るバィ。削り跡がフロントPU 側の溝とよう似とる。

完成!。2017年明けに郵便で発送しました。

 

Super400 に装着した状態の写真を送って頂きました。ヨカね〜。クラックが渋すぎる。

STさんは、もう少しピックガードを低くしたいそうですが、演奏に支障がない程度だそうで、とりあえずこのままで。

 

アイロンである程度反りを矯正出来ることが分かりましたが、表面の模様のあるプラスチックが割れる可能性があるんで、その覚悟が必要ですバィ。

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